古き良きふるさとと観光地がせめぎあう小樽

アコガレの街、それは北海道の小樽です。学生時代から好きで、何度も行っていますが飽きません。小樽は運河が有名ですが、運河よりも街に点在する古い建物が素晴らしいです。明治大正、昭和初期あたりまでに建造された凝った和洋折衷の建築で、特に商店や商業施設のファサードが洒落ていて大好きです。小樽はニシン漁やロシアとの交易などで栄えましたが、早い段階で経済が衰退してしまい、当時のまま緩やかに時間が流れていった感じがより浪漫を感じさせる要因だと思います。現地ではニシン御殿など行ってみると、いかに小樽が経済的に豊かな都市であったのかがよくわかると思います。運河埋立から地域の観光化にあたっては住民運動などがかなり活発にあったようですが、そういった近年の歴史も踏まえて、守ろうとした運河が観光地化されたことによって結果的に失われてしまった小樽の良さと、そうして経済が再び活発化したことによる恩恵など考えながら街を歩くと、大変感慨深いです。